当会について
在来とは「昔からある」という意味です。
Zは「在来」の頭文字。そして、最後にして最高のものを表すアルファベットです。
在来作物とは、それぞれの土地の気候風土の中で育まれ、何十年、何百年もの時代を超えて伝承されてきた昔ながらの作物をいいます。品種改良された現代の品種に比べると栽培も難しく収量も多くありませんし、味も洗練されていません。しかし、現代の野菜が失ってしまった甘味や旨味、辛味などを持ち、味が深く濃いのが特徴です。エリートにはない魅力をもつ個性派ぞろい...それが在来作物です。
今や個性の時代。なつかしくも新しい在来作物の味は、まさに周回遅れのトップランナーと言って良いでしょう。
ただ残念なことに、在来作物のほとんどは失われつつあります。山村や農家の庭先で、ひっそりと作り続けられ、ときには人知れず消えてゆく。そんな幻の存在も多いのです。
また、在来作物だけでなく、自然の中で生きるための伝承技術や、世代を超えて伝えられてきた伝統料理も忘れられつつあります。
このプロジェクトでは、ふるさと静岡の風土と歴史の中で守り続けられてきた幻の在来作物や、伝統技術、伝統料理に光を当てて、広くその価値を再発見してみたいと思います。
会の活動としては、季節ごとに静岡県内各地の農山村や飲食店を訪ねて、「在来の味」を楽しみます。なつかしくも新しい「在来の味」をいっしょに楽しんでみませんか?
プロジェクトZ 設立主旨(代表 稲垣栄洋)
「何なんだ、この美味しさは!!」
ある山村でお昼ご飯をいただいたときの感動と驚きが、この活動を始める原動力となりました。地元の野菜や作物で作られた品々、今まで味わったことのないようなおいしさだったのです。それが、昔から伝わる在来野菜で作られた料理でした。
ごちそうがあふれている現代。美味しいものはさんざん食べているはずだったのに、山村で食べた料理は、今まで味わったこともないようなものでした。
こんな美味しいものを食べているなんてずるいなぁ、というのが率直な感想だったのです。さっそく在来野菜を静岡の飲食店に持ち込んで、料理を創作してもらうと、独特の深い味わいを持った食材は、料理人の手によって、食べたことのないような逸品に仕上がりました。この感動もまた忘れられません。
飽食の現代が忘れ去ってきた豊かさがある。それがその料理を食べたときに一番感じたことでした。
残念ながら、その美味しさと感動は、なかなか説明しにくいものです。たとえようもないのです。それなら、多くの人に食べてもらうのが一番早いのではないか。そうだ、愉しむ会を作ろう。それがこのプロジェクトの始まりでした。
このプロジェクトは、在来作物を題材として、農村を訪ねては「村のごちそう」を味わい、町の飲食店では、新たに創作された「町のごちそう」を楽しんでしまおうという欲張りな活動です。ぜひ気軽にご参加ください。なつかしくも新しい世界があなたを待っているはずです。